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【保険】外貨建て保険における大きな2つのリスクとは?

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こんにちは、1級ファイナンシャルプランナーのMai(@MaiHayashi7)です。

 

積立てをしていくのに外貨建て保険を勧められたけど、デメリットはないのかな?
外貨建ての商品って怖いイメージがあるけど、実際にはどんなリスクがあるの?
分からないまま始めるのは怖いけど、お金が増えるならいいのかなぁ。。

 

今日はこんな疑問に答えます。

 

今の日本は超低金利で全然お金が増えないため、資産運用の相談に行くと外貨で運用していく外貨建て保険を勧められることがあると思います。

外貨建て保険は、日本円よりも高い外国の金利で運用されるため、将来的に受け取れるお金が円建ての商品よりも増える可能性がある一方で、リターンを得るためのリスクというものも潜んでいます。

 

今後外貨建て保険での運用を考えている人は、内容をしっかりと理解してから始めるようにしましょう。

 

本記事のテーマ

外貨建て保険における大きな2つのリスクとは?【トラブル回避のために】

 

外貨建て保険とは

① 為替変動リスク

② 為替手数料リスク

 

本記事を読むことによって

この記事を読むことで、外貨建て保険における大きく2つのリスクについて理解することができます。

 

ここ数年外貨建て保険をめぐってトラブルが急増していますが、その背景には「元本保証だと思っていた」「日本円で運用するより必ず増えると思っていた」など、外貨建て保険の仕組みや為替、リスクについてきちんと理解ができていなかったという実態があります。

保険担当者の説明不足や確認不足といった原因もあるかもしれませんが、「聞いていなかった」「内容を理解できていなかった」とならないためにも、分からないことや不安に思うことがあれば担当者やカスタマーサービスに連絡したり、インターネットや本などで理解ができるまで調べるようにしましょう。

 

何かを始める際には、メリットだけでなくデメリットも理解して自分の身は自分で守るという意識も大切です。

 

外貨建て保険とは

 

外貨建て保険とは、日本円ではなく外貨で運用していく保険商品になります。

一般的に日本の保険会社が販売しているのは「アメリカドル(米ドル)」「オーストラリアドル(豪ドル)」で運用されているものが多く、終身保険、養老保険、個人年金保険といった貯蓄型の保険がメインになります。

 

冒頭にも述べたように、今の日本は超低金利の時代のため円建ての保険商品ではなかなかお金が増えていきません。

そういった背景から、日本よりも金利の高い外貨で運用していく保険商品の方が人気が出るのは当然の流れかもしれませんね。

外貨建て保険のメリット

・ 日本より金利が高いため、円建ての保険よりも貯蓄性が高い

・ 円建て保険に比べて保険料が割安

・ 外貨を持つことで資産の分散ができる

 

外貨建て保険には様々なメリットがある一方で、契約後の苦情やクレームが多発しているのも事実です。

メリットだけに着目するのではなく、外貨建て保険ならではのリスクも同時に見ていきましょう。

 

① 為替変動リスク

 

外貨建て保険における「為替変動リスク」とは、為替レートの変動により、場合によっては将来受け取るお金が少なくなってしまったり、元本割れを起こしてしまう可能性があるというリスクです。

 

外貨建て保険は基本的には元本保証の商品になりますが、それはあくまでも運用している外貨ベースでの話であって、日本円での元本が保証されている訳ではありません。

 

例えば、円でドルを購入したとすると

現在、「1ドル = 100円」の場合

100ドルを購入するためには1万円が必要なため、1万円を支払って100ドルを買ったとします。

現時点では「100ドル = 1万円」の価値ですね。

 

将来、「1ドル = 80円」になった場合

1万円の価値がある100ドルを持っていましたが、為替レートの変動により「100ドル = 1万円 → 8,000円」の価値に目減りしてしまいました。

為替レートが円高になったことにより、同じ100ドルを持っていても2,000円の損失が発生したことになります。

 

これが「為替変動リスク」です。

受取時に為替レートが円安にふれていれば受け取るお金も増えることになりますが、上記のように円高になっていると資産が目減りしてしまう可能性があります。

 

外貨建て保険は常にこの為替変動の影響を受けており、いざ受取時になってみたら為替が円高にふれて思うように資産が増えていなかった、なんてこともあるのです。

 

一時払タイプは特に為替の動向に注意

保険料の支払方法として、毎月一定額をコツコツ支払う「積立てタイプ」と、契約時に全期間分の保険料を一括して支払う「一時払タイプ」があります。

 

毎月コツコツ支払う積立てタイプは、その時の為替レートによって毎月の保険料が変動するのが特徴ですが、一時払タイプは契約時の為替レートによって総支払額や保険金額が決まります。

最初に支払った時の為替レートと将来受取時の為替レートの差が、損益に大きく影響してきますので、一時払タイプの場合は特に為替レートを注視しておく必要があります。

 

受取時、大きく円高にふれていたら

「円建ての商品よりも将来のお金が増える」と言われて加入しても、実際受取時の為替レートによっては思うように増えていなかったということもあるでしょう。

将来の為替レートは誰にも予測できません。

 

そこで為替変動のリスクヘッジとして、受け取るタイミングを自由に選べる商品を選んでおくというのも一つです。

受取時に円高であれば、そのまま積立金を据え置いて将来円安になってから受け取るということができる商品もあります。

また円で受け取らずに、そのまま外貨で受け取るという方法もあります。

 

商品によって受け取るタイミングや受け取り方法が違ってきますので、将来を見据えて柔軟なタイプの商品を選ぶようにしましょう。

 

② 為替手数料リスク

 

外貨建て保険で運用する際には、契約時の「円 → 外貨」に替える場合と、受取時の「外貨 → 円」に替える場合に為替手数料がかかります。

為替手数料は保険会社によって金額が異なり、一般的には「1ドルあたり〇〇円」のような表記で0.25~1円程度で設定されていることが多いようです。

 

例えば、為替手数料が「1ドルあたり0.5円(50銭)」だった場合

為替レートが1ドル = 100円の場合、「円 → ドル」に替える際には為替手数料を含め100.5円が必要になります。

逆に「ドル → 円」に替える場合には99.5円しか戻ってこず、この場合は往復で1円の為替手数料がかかることになります。

 

1円程度だとピンとこないかもしれませんが、仮に1万ドルを購入する場合「円 → ドル」にかかる為替手数料は5,000円となり、受取時の「ドル → 円」も含めると往復で1万円の為替手数料が必要になります。

 

この為替手数料は、保険料に上乗せして支払ったり、保険金・解約返戻金に含まれているため別途支払う必要がないことから実際には認識しづらいかもしれません。

金額としても小さいので気にしたことがないという人もいるかもしれませんが、塵も積もれば山となるのと同じで何十年も支払ったり保険金が大きくなっていくと到底無視することはできません。

 

資産形成をしていく際には、こういったコストについても必ず意識するようにしましょう。

この為替手数料は円建ての商品では発生しないコストになり、こちらも各保険会社や外貨の種類によって金額が変わってきますので、必ず各社内容を比較するようにしましょう。

 

 

どうでしたか?

外貨建て保険は、円建ての商品よりも金利高による恩恵を受けられる一方で、為替変動リスクや為替手数料のコストなど、外貨ならではのリスクも潜んでいます。

金利が高く貯蓄性があるからといって、一概に円建てよりも外貨建て保険の方が良いとは言い切れません。

 

今後外貨建て保険での運用を考えている人は、利回りや金利だけではなく、その時の為替レートや為替手数料などのコスト面、受け取るタイミングや受け取り方法など、円建ての商品と比較して総合的に判断する必要がありそうです。

 

また資産形成を考える際には、外貨建て保険に限らずどんな目的でお金を貯めるのか、将来どのタイミングで受け取るのか、保険なのか金融商品なのか、様々な選択肢の中から自分に合ったものを選んでいくようにしましょう。

そのためには、やはりそれぞれの商品の特徴やメリット・デメリットをしっかりと理解しておくことが大切なのかもしれませんね。

この記事を書いた人
Mai Hayashi

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)。
FPで培ったお金の知識や趣味の株式投資を始め、暮らし・子育てに関する記事も発信していきます。

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